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2020/07/17
介護×落語  ~お初にお目にかかります~

「いよっっ、待ってましたー!」

威勢のいい掛け声とともに、「天満屋学笑」ことデイサービスの新人職員小畑学さんが登場しました。青い着物に黄色い帯を締め、フェイスシールドで感染対策も万全です。脇には腹話術人形の「はじめくん」を抱えています。

「えー、今日の皆様とかけまして、金のしゃちほこと解く。その心は!なごやか♡(名古屋か!)」

ご利用者さんからどっと笑いが起きました。つかみもバッチリです(*^^)v

 続いて、はじめくんとの掛け合いがテンポよく繰り広げられ、その話術にぐいぐいとご利用者さんらが引き込まれていきます。南京玉すだれでは、ほかの職員もチャレンジ♪一体感を生み出します。BGMの氷川きよしのズンドコ節も場を盛り上げ、楽しいひと時になりました。

天満屋学笑という名前は、あの上方落語の大御所桂文枝さんに命名された芸名ということです。元々、人を笑わせることが好きで、文枝さんの開いた大阪「天満天神繁昌亭」で笑いを1年間みっちり学んだ経験があるとのこと。笑いにかけては筋金入りです。介護職になっても十分役にたっています。

 ただ、梅香園に来るまでは紆余曲折がありました。小畑さんは神戸で24年間、食料品店を営んでいましたが、平成7年に奥様を亡くされました。奥様の介護が必要だった時に、その知識がなく無力だったことを後悔し、奥様へのお詫びも込め、ニチイ学館で学び、資格を取りました。その後、介護の世界で5年働き、タクシーの運転手を経て、梅香園に入職。

運転手の傍ら行っていた高齢者施設のボランティア活動が縁でした。

 今、小畑さんは「一人暮らしだから、毎日人との繋がりを感じられて嬉しい」と言います。

「介護」と「笑い」の二刀流で、充実した日々を送っているそうです。

時々、奥様の遺影に語り掛けます。

「時間がかかったけど、あの時できなかった介護を通じて、多くの人を笑顔にできているよ。」

遺影の奥様はいつまでもきれいな47歳のまま。いつも微笑んで見守ってくれています。

人を笑わせたり、楽しませたりすることが好きな小畑さんですが、「梅香園にきてご利用者さんからたくさんの元気をもらっています。これからも一人でも多くの人を笑顔にしたいです。誰かに自分の人生を聞いてもらいたい、知ってもらいたい、そんな時期がきたのかな。」と優しい笑顔で話してくれました。

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